くるみ(クルミ・胡桃)について
胡桃色−染色について
歴史
- 『源氏物語』『明石』に「高麗の胡桃色の紙に』とある胡桃色は、正倉院文書によると胡桃の皮染められていたことがわかる。
胡桃色の染めかたは鬼胡桃、姫胡桃などの樹皮を用いて染める。現在では緑葉か緑の果皮を使用する。樹皮でも染まらない事はないが、緑葉などよりも染まらない。緑葉や実の果皮で染めると椅麗な色になるし、また濃度が高い。
染色材料としての胡桃
- 植物を使用して染色する場合
動物繊維(絹、毛)には蛋白質があるので染液が浸透するが、植物繊維(麻、木綿)でほ染まりにくい。豆汁(ごじる)と呼ばれる大豆を摺って搾った汁を使って下地をしなけれぱならない。
- 媒染剤(ぱいせんざい)について
蛋由貿と色素が結びついても、まだ充分ではないので、さらにしっかり定着させるために使用する薬品。媒染剤によって化学反応がちがうため、色あいが変わる。少量といえ化学薬品であるので使用には注意が必要。(取り扱いや、廃棄)
- 染色
樹皮、緑葉、また青いうちの果皮をつかう。すぺて乾かない生のうちでないとよく染まらない。緑葉は9月頃採集してすぐ染色する。煎じる時は材料を粉砕したものを便う。沸騰してから20分間熱煎.漉す、を何回か繰り返し染液を作る。その中に生地を入れ、15分煮染め。そのまま冷ます。媒染液に20分沈め、また15分煮染めする。(煮立ってから15分)冷めたら水でよく洗い、絞ってから日影に干す。本によって染色時間、媒染時間の記載はまちまちであるので、読み比べてみることを勧める。 採集する時期、部分、媒染剤によって.黄味の茶色、濃い茶色、赤味の薄茶色、小豆色、黒味の赤茶色が染まる。
- 初心者のための参考本〜『母と子の草木染ノ‐卜』山埼青樹著 美術出版社
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